汗ばんだTシャツを乾かすように、
シャツをヒラヒラさせ、ようやく僕は家に帰宅した。
さっそくリビングに入り、エアコンをつけ、
冷蔵庫から麦茶を取り出して一息つく。
旧式のエアコンでなかなか部屋は涼しくならず、
ソファに座り、扇風機を自分の方向に向け、テレビをつけた。
テレビでは今日は今年一番の暑さだと言っている。
やれやれ、教授も考えてほしいよ。
今時手渡しでしかレポートを受付ないってありえないだろう。
ネットで送れば一瞬で済むのに、
化石みたいな考えの教授には本当に参る。
「おにいいちゃあああああん」
うるさい妹がきた。
僕はうんざりしながらもテレビから目を離し、
妹の方を向く。
「何だよ絢香。」
「お兄ちゃんも夏休みなんでしょー。
どっか連れてってよー」
「おいおい、勘弁してくれよ。
今この炎天下の中、帰ってきたところなんだよ」
「じゃあ、丁度いいじゃん!
車でドライブしようよ」
「一体何が丁度いいんだよ。
お前とドライブして一体何が楽しいんだ」
「ひどーい」
絢香は僕の隣に腰掛けて、
じゃれついていくる。
いつもこうさ。
どっかに連れてけ、
何か買って、
おいしいもの食べにいこう。
妹は僕が暇そうにしていると、いつもこの三つを要求する。
「お兄いちゃん汗くさーい」
妹は僕のTシャツをクンクン嗅いでいる。
「当たり前だよ。
お前もパジャマ着替えて外に出てみろよ。
すぐ汗かいて臭くなるぞ」
「ふんだ。」
クンクンクンクン
「お前はいつまで俺のTシャツの匂い嗅いでいるんだよ」
「何かこの匂いにハマちゃったー」
「馬鹿やろう」
僕は立ち上がり、シャワーを浴びようと部屋を出ていく。
「あー逃げたーまてー」
妹は僕の背中に抱きついてくる。
「離せよー。シャワー浴びるんだから。
汗だくで気持ち悪いんだよ」
「えー、もったいないぃ」
妹は頬を膨らませる。
「何がもったいないだよ。
訳わかんない事いうなよ」
洗面所に入り、濡れたTシャツを洗濯機に放り込み、
裸になってお風呂場に入る。
ぬるいお湯にしようか、
水にしようか迷っていると
洗面所の外から声が聞こえてくる。
「お背中流しましょうか~」
また妹が悪ふざけしている。
一体俺をどう思っているのか。
僕は無視して、水を出し、シャワーを浴びる。
冷たい!と一瞬思ったが、
すぐにその冷たさが気持ちくなり、
体全体をシャワーを浴びる。
さっぱりし、シャワーを止め、
体を拭き、トランクを履く。
気持ちの良い目覚めのような気分で、
洗面所のドアを開けると、妹が立っている。
「お兄ちゃんトランクス一丁じゃんー。
洋服着ないとー。
もうしょうがないなー
絢香が洋服選んであげるー」
「そんなもん自分でやるからいいよ」と
声をかけようとするも、
妹は階段をあがり、僕の部屋に入っていってしまう。
自分の部屋に行って絢香を注意するか、
リビングで待って麦茶でも飲んで、待っているか
迷っていると、タタタタと軽快な足音をさえ、
洋服を持って階段を降りてくる。
「はい、お兄ちゃんこれ来てよ」
妹が手に持っているのはストライプの半袖のシャツに、
ベージュの膝丈のパンツ。
僕は致し方ないと妹の手から洋服を奪い去り、
その場で着る。
「やっぱお兄ちゃんそれ似合うー。
その服装しているお兄ちゃん好きー」
僕はうんざりする。
顔を上げて妹の顔を見ると万篇に笑みを浮かべている。
僕は本当にうざんりする。
「お兄ちゃんでかけるよ!!」
「お前パジャマじゃん」
「あ!いけない!
じゃあ着替えてくるから待ってて」
妹は颯爽と自分の部屋に行ってしまう。
いつもこうだ。
妹はわざと隙をつくる。
今日みたいにパジャマを着て、
さぁ出かけようって言うんだ。
僕はついついお前はパジャマで出かけるつもりかよって
言いたくなってしまう。
そして実際についつい言ってしまう。
これを言ってしまったら最早妹のペース。
じゃあ着替えれば連れてってくれるんでしょって
感じで勝手に行動してしまう。
僕はため息をついていると、
妹は薄い水色のワンピースを着て、
階段を降りてくる。
「じゃあ行くよ!!」
妹は玄関に行き、妹お気に入りのブランドのサンダルを履いて
準備万端の格好だ。
やれやれ、僕はリビングに置いてあるバッグと車のキーを手に取り、
妹と一緒に外に出る。
続く
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