アユは自分の席に座るとため息をつく。
今晩、田中課長と付き合わなければいけないと思うと、
心底憂鬱になる。
そんなアユを訝しげに隣の席の葵が話しかけてくる。
「あんたどうしたの。いつも憂鬱そうだけど、
今日はその倍暗い顔してんねー」
アユは、パソコンから目を離し、俯きながら話し始める。
「あのー、課長に夜誘われちゃって・・・」
「はぁー、あのセクハラ課長に目つけられたんだぁー。」
「はいぃぃ・・・・」
「あんたどうしょうもないねー、
ハッキリ断りゃいいじゃん」
「でもー、何て断ったら良いかわからなくてぇ・・」
「しっかりしなよ、断り方なんて用事があるとか、
言っときゃいいんだよ」
「でも、私・・用事なんて、無いのバレてるし・・」
「まぁ確かにあんた用事なさそうだもんねー」
「そうなんですぅ・・・」
「もうこうなったら、嫌ですって言っちゃえば」
「でもー、あんまり拒絶すると今後の仕事に差し支えそうだし・・」
「あーたーねー、今でも碌に仕事も出来ずに鈍臭くて馬鹿にされてるのに、
今よりも酷い扱いは無いからね。
ハッキリ拒絶しても大して変わんないよ」
「そ・・そうだね・・ありがとう・・あおいちゃん・・」
「もうー、しっかりしなよ。ほら仕事するよ」
「うん」
アユは微笑んで、パソコンに向かいデーターを入力していく。
そして退社の時間になっても、毎度の事だが仕事が遅いアユは
他の人よりも一時間程度長くデスクに向かっている。
ようやく一段落付き、帰り支度をしていると、
後ろから田中係長がやってきて、アユの肩をポンと叩く。
「さぁ、行こうか」
アユはビクっとして振り返ると、室内には田中遺骸いない事に気づく。
「あのー、やっぱりいけません・・」
田中はニヤリとする。
「さてさて、何でかねー」
「もうお昼のような事は嫌なんです。」
「ほほうー、嫌なのかー、
アユ君、何か誤解しているようだねー。
僕は君の自立を手助けしていあげるって言ってるんだよ。
わかるかね?え?わかってるの?」
「えっと・・でも・・セクハラ的な・・」
「何がセクハラだ!自惚れちゃいかんよ君!
このままじゃ簡単な仕事も碌に出来ない巨乳娘じゃないか!
それじゃいかんって思って、僕が面倒見てやるって言ってんだろ!」
仕事舐めてんのか?え?
「舐めてないですぅ・・・」
「だろ!しっかり働けるキャリアウーマンになりたいだろ!」
「はい・・」
「よし、じゃあ付いてこい。」
田中はアユの腕を持って、立たせて、
部屋から一緒に出ていこうとドアの方に向かう。
ドアの前に近づくと、田中は何か思い出したように、アユの方に振り向き、
いきなり抱き寄せて、キスをする。
アユは抵抗する暇も無く、されるがままにキスをし、舌を入れられ絡み合う。
「アユちゃんの涎は美味しいねー、仕事の疲れも吹っ飛びそうだ。
ガハハッハア。
よしいくぞ!」
最早断ることが出来ずに、渋々田中の後方をついて歩いていく。
会社から出ると、田中はアユの手をとって、手を繋ぎ、
繁華街へと歩いていく。
足取りが重いアユだが、田中は気にせずに引っ張るように歩いていく。
俯いて歩いていると、田中がピタリと足を止める。
顔を上げて見るとそこは少し高級そうな居酒屋があった。
田中に引きずられるように、中に入ると店員に個室に通される。
部屋の中は畳が敷かれていて、テーブルが真ん中にあり、
入口で靴を脱いで、二人は入っていく。
田中は常連のようで、メニューも見ずに料理を注文している。
アユは田中の対面に座る。
注文を終え店員がいなくなると、田中はアユをじっと見つめる。
「う~ん、アユ君、そこじゃちょっと遠いなぁ~
こっちへおいでよ」と隣に敷かれているザブトンをポンポンと叩く。
「こっちで・・」
「駄目!そこじゃ駄目!わかる?」
アユは立ち上がり、憂鬱そうに田中の隣に座る。
すぐさまアユのスカートの上に手が乗せられ、
内股へと侵入していく。
「駄目です・・課長・・料理きますよ・・店員さんきますよ・・」
「ガハハッハ、そうだな!
店員が料理とか酒持ってくるまで我慢するか!
楽しみに待っるか!
なんだアユちゃんもようやくわかってくれたか!」
嬉しそうに見つめてくるが、そういう意味で言った訳ではないのにと、
アユはどんどん落ち込んでいく。
続く
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