「すいません池尻までお願いします。」
真奈美はタクシーに乗り込む。
どうしても外せない仕事があり、
大学時代の友人のプチ同窓会に遅れて行く事になってしまった。
時計を見ると21時を過ぎたている。
もう皆集まって酔っ払って出来上がってるのかな。
6年ぶりにサークルの皆が集まる。
久しぶりに健介に会える。
大学時代3年間付き合っていた彼氏。
就職して数年後結婚出来たらいいなぁーと夢みていた相手。
でも就活時代にお互いピリピリしだし、
結局別れてしまった。
就職してからもよりを戻すよりも、
仕事に精一杯で恋愛をする余裕すらなかった。
健介はどうなんだろう。
真奈美は今の健介がどうなってるか
想像するとつい顔が緩んでしまう。
今まで忘れてたのに、
後数十分で健介に会えると思うと
嬉しくてしょうがない自分に驚いてしまう。
私、やっぱり今でも健介の事が好きかも。
真奈美は追憶に浸り、
そして今の健介に思いをはせ
窓の外を見る。
「お客さんキレイだねー。
モデルさんかい?」
運転席から女性の声が聞こえる。
てっきり後ろ姿で男性だと思っていたので、
運転席の方を見ると、
タケシタカオルと書かれた
顔写真つきの紹介書が貼ってるある。
50代ぐらいの女性の運転手さんなんだ。
真奈美はつい返事をするのも忘れて
顔写真を見つめしまう。
「お客さあああああん無視かいぃい?
ちょっとキレイだからってお高くとまっているのかああいい?」
「え?」
「え?じゃないよおお。
こっちはあんたが嬉しそうにニヤニヤしてるから
気になって話しかけたんだよおお。
キレイな同性が幸せそうな笑顔を浮かべていると
わたしゃ嫉妬で頭が狂いそうになっちまうんだよお。
私とは全然違う人生。
見てみなよ。この年になってもタクシーのうんちゃんだよ。
あんたは一体なんなのさああああ?」
「あの、ちょっと落ち着いてください・・・」
「落ち着ているわあああああああああああ」
カオルは首を後ろに向け
顔をしかめて睨みつけてくる。
真奈美は悪夢に引きずり込まれたような感覚に陥る。
なに・・・これはなに・・・?
なんなんのこのおばさん・・・
「あの、もういいです。
降ろしてください。
お金払いますから降ろしてくださいい」
「いやだああああよ。
あんたが私にした仕打ちは忘れないよおお。」
「わ・・・私が一体何したって言うんですかあああ」
「したじゃないかああ。
私の質問を無視したじゃないか。
モデルさんかい?って聞いただろ。
あんたはそれを無視しだんよおおおお」
「あ・・・あれは、女性の運転手さんが珍しくて
ついぼけっとしちゃっただけですよおおお」
「はぁ~そうだねー。
あんたみなキレイな人なら
タクシーのうんちゃんになろうって
今まで一度も思った事ないだろうねえええ。
幸せな人生だねえええ。
ええええ?幸せな人生だねえええええええええええ」
「そんな・・・もういいですから、
謝りますから降ろしてくだいぃ。」
「だ~~~め!
ガハハハアッハ。
許さないよ。今更謝ったって許さないよおお。」
「警察呼びますよ。
早く停めなさい!」
真奈美はバッグからスマホを取り出そうとすると、
カオル急に右折して路地裏に入り、急ブレーギする。
真奈美は止まった衝撃で体が前のめりになり、
手にもっていたスマホを前の座席に落としてしまう。
「ほら!これでもう電話はかけられないよおお
ガハハハハハハ」
真奈美は今の隙に降りようとするも、
ドアは中からは開かない。
ユイはまたアクセルを踏み
走り出す。
続く
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