何が悲しくて妹を助手席に乗せてドライブしなければならないのか。
僕は行き先も決まって無いまま車を発進させる。
「おい、どうするんだよ。
どこ行くつもりんだよ」
「んーとねーどこにしようかなぁ。
お兄ちゃんはどこに行きたい?」
「家に帰って、ベッドに寝転んでゆっくりしたい。」
「はーい却下ー。
ちゃんと考えてよー」
「ドライブに行きたいって言ったのはお前だろ」
「ふ~んだ。じゃあねぇ原宿でも行こうかぁ」
「馬鹿かよ。車も多いし、駐車する場所見つけるのも
面倒臭いし、絶対嫌」
「ケチー。じゃあ遊園地いこうよー」
僕はため息をつく。
この炎天下の中で遊園地に行こうと発言する妹に、
呆れてしまう。
それに妹と遊園地で何すりゃ良いのか僕は全くわからない。
一緒に乗り物乗るのか?
考えただけで、憂鬱になる。
「ねーねー遊園地に決定ねー。
おにいちゃん荒川遊園地に行くよー」
妹はカーナビを操作して、荒川遊園地までの道のりのセットする。
「まてまてまて、荒川遊園地って何だよ。
聞いた事ねえぞ」
「えー知らないのぉー。
家庭的な遊園地で良い感じだよー」
「家庭的な遊園地って何だよ・・」
しょうがないしに、僕はカーナビの通りに車を走らせていく。
妹は一仕事終えたと、目を閉じすやすやと眠り出す。
僕は思わず舌打ちをしたくなる。
親や周囲の友人からは無邪気で可愛い妹と
言われているが、僕から見たら単なる自己中。
起きろおおおおおお!って耳元で叫びたくなるが、
起きてまた無理な要求されても困るので、
僕は妹をそのまま寝かせとく。
平日ともあって道はそこそこ空いていて、
一時間ばかりして荒川遊園地に到着した。
寝ている妹を起こそうとする前に、
目をパチリと開く。
「ワーイ、目開けたらすぐそこに遊園地があるぅー。
こういうのってとっても素敵!」
僕は妹を無視して車から降りる。
駐車場から見える荒川遊園地は閑散としていて、
遊園地というよりは、少し大きめの公園といった感じ。
「これ遊園地なのか?」
妹も車から降りて、僕の隣に立つ。
「うん、そうだよー。さぁ入るよー」
僕は渋々妹の後をついて行く。
「おにいちゃんのは私が驕ってあげるからねー」
妹は売り場で、入場券と乗り物チケットを購入している。
あいつが驕るなんて珍しいと売り場に近づくと、
小中学生は100円、小中学生以上は入場券200円と書かれている。
そして、乗り物は一回100円で
6枚チケットセットが500円。
安さに驚いていると、入場券を買った妹が、
僕の腕を引っ張り、入口ゲートへと向かい、
係員にチケットを渡し、
中に入っていく。
遊園地の中に入っても、やはり少し大きめの公園といった感じで、
ポツリポツリと遊具がある。
「おにいいちゃん何乗ろうかぁー」
「何乗ろうかぁって、まともな乗り物何もねえじゃねえかよ」
「もうーよくみてよー」
妹は僕の腕に自分の腕を絡ませ、ジェットコースターらしきものを指差している。
「あれのろうよー」
「大丈夫かよ。壊れてるんじゃねえの。
錆だらけで、まともに動くと思えないんだけど」
「おにいちゃんのビビりー。
大丈夫だよー。万が一壊れても、
あんな小さいコースタじゃそんな大怪我しないよー」
確かにとても小さい。
渦のように巻いてレールが引かれ、
最後に渦を囲むようになっていて搭乗口に戻っていってる。
スピードもそんなに出ないし、長くて10~30秒で終わってしまいそうだ。
僕はボケーと見上げて考えていると、
階段を上って搭乗口に向かっている。
「おにいちゃんはやくっぅぅ」
最初はうんざりしていたが、
あまりにもショボイ遊園地なので、
逆にちょっと楽しくなってきた。
僕は妹の後を追うように階段を上ると、
風がふわ~と吹いてきて、
妹のワンピースがめくれあがる。
水色と白の縞々のパンティが目の前に飛び込んでくる。
妹はすかさずワンピースをおさえ、
ふくれっ面で僕を見下ろしている。
「見たでしょぉぉー」
「見たでしょうじゃねえよ。
見たくねえのに、見えちゃったんだよ」
「もうー、おにいちゃん最低ー」
「最低ってなんだよ」
僕が少し大きな声を出して怒り気味になると、
妹はすかさず顔をほころばせる。
「わーお兄ちゃん怒ってるぅー。
もういいからおいで」
妹は僕の腕を掴んで、係員にチケットを二枚渡して、
さっさとコースタに乗り込もうとする。
僕は少し腹を立てるも、二人乗りのジェットコースターを見て、
思わず笑ってしまう。
「なんだこれ・・」
「えへへへ、おもしろうだねー」
妹はさっさと前に乗り込み、
僕は後ろに乗り込む。
乗る場所が二席しかないってすげええなぁと思っていると
ジェットコースターが発進しだす。
続く
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