首吊り自殺をしたアミに手を合わせ、
高木はそろそろ帰るかとライトを照らし、
歩き出す。
夜の樹海を一人で歩くも高木は全然恐怖感を感じない。
木の茂みから月明かりで周囲が照らされ、
幻想的な雰囲気ですらある。
高木は一人でもくもくと帰り道の方に
歩いていく。
今日も結局可愛い自殺志願者と出会えた事は
出来たけど、結局セックス出来ずじまいかと
がっかりと肩をなでおろす。
そろそろ樹海に入ってきたところについたかなと
奥の方を手に持っている懐中電灯で照らすと
ワンピース姿の女性が見える。
遠いので年齢はわからないが、
若い子が好きそうなカラフルなワンピースで
高木は一気に元気になり、走り出す。
「へーい、そこの女の子ぉぉ
ちょっと僕に君の時間をくれなああああいい?」
高木は全速力で走る。
「キャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアー」
樹海から急に現れた男に女は絶叫する。
「アハハッハ、驚かせちゃったかなぁああ?」
高木は女の前に来ると、
自分は不審者じゃないと両手をあげる。
「大丈夫?何しに樹海にきたのぉぉぉ?
自殺ぅっぅ?」
女性は何度も瞬きして、
今にも逃げ出しそうな雰囲気。
「あのね、僕はなんつうのかなぁ、
樹海自殺ストップ協会みたいなもんなんだよねー。
自殺しに来た人を止める事をしてて、
今から帰ろうとしてたんだぁ」
もちろんこれは嘘である。
「樹海自殺ストップ協会?」
「そうそうそうそう、
最近じゃ自殺といえば樹海でしょ?
そんなに簡単に樹海で自殺されちゃ困るよって
僕がいるんだ」
「はぁ」
女性はようやく少し落ち着いたようで、
高木は女性の顔をじっくりみる。
虹色のカラフルで華やかなワンピースを着ているが
年齢はどうやら四十歳の中盤といった感じで、
顔はやつれ、髪はボサボサのロングヘアで
明らかに洋服と顔が合っていなく、
アンバランスな雰囲気を漂わせている。
どうやら頭いっちゃってるメンヘラ系の熟女かなと
高木はちょっと用心する。
「君のその表情見ると、
どうやら自殺しにきたんでしょ」
「いえ、そんな事しに来たんじゃないです!」
女はやたら手を自分の体の前で振り回し、
挙動不審なジェスチャーをしながら話す。
イカレタ雰囲気の熟女だなぁ。
でもその刹那的な感じが良い!
これは当たり物件かなぁ。
高木はニヤリとする。
「いやいや、君の瞳を見れば僕はすぐわかる!
君は死にたがっている。
そしてそのバッグの中には、遺書と縄が入っているんだろおぉぉぉお」
女は両手を胸の前に出し、
何かを掴むように手の平を開いたり閉じたりしている。
そして顔を歪ませ、化け物みたいな表情になり、
いきなり頭をかきむしむる。
「うるさいいぃぃぃいいい。
だったら死なせてよっぉぉおおおおおおおおお」
女は頭を掻き毟りながら、うずくまる。
高木は何も言わない。
じっと女を見つめる。
「何なのよおおおおおおおお、あんたあああああああああああ
死ぬ自由もあるんだよぉぉおおお。
私が死んだってお前に迷惑かかんねええだろおおおおお」
頭に傷が出来そうな程、頭を掻き毟る。
その様子を見て高木は不覚にも勃起してしまった。
いいよーいいよー絶望の狭間にある快感!
いいよーもっと絶望してー
そしてセックスしよううううううううううう
女の発狂に刺激され、
どんどん妄想が広がっていく。
そして、とうとう我慢できなくなり、
高木はうずくまって絶叫している女に抱きつく。
「わかった!自殺したいなら自殺してもいい!
でもその前にもう一度温もりを感じてから決めても遅くない!!!!」
掻き毟る手を持って、止めさせ、
泣きじゃくり苦悶の表情を浮かべる女にキスをする。
続く
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