村中さんは、図書館をウロウロしながら困ってしまいました。
普段全く本を読まないので、
何を読んだら良いかわからないのです。
こんなにも色んなジャンルの本があるのかと、
圧倒されるばかりで、
実際に手にとって読もうとする気にはなれません。
どうしようかと迷っていると、
可愛い子が本を探している姿が目に飛び込んできます。
可愛い子が読む本ならおもしろいだろうと、
その女性の近くに寄り、女性が手にした本と
同じ作者の本を読む事にしました。
本を片手に、どうせ読むなら綾ちゃんが見えるところが
良いなぁと、カウンターが一望出来る席に座りました。
山本さんは笑顔で本の貸出作業しています。
村中さんはその笑顔にウットリとしてしまいました。
こりゃいかん、ずっと見つめてるのも
さすがに気持ち悪がられるかもしれん!
村中さんは手に持った本を開いて、
読み始めました。
しかし何やら官能の国をテーマにした小説らしく、
稚拙な文章で全く読む気になれません。
でも可愛い子も読んでいるだと思い、
頑張ってもうちょっと読んで見ることにしました。
10ページ程度読んだところで、
もう駄目だと顔をあげると、
また山本さんと見知らぬ男性が股間を触りあっているのです。
村中さんは強烈な嫉妬心に我を忘れそうになりましたが、
一方で自分の好きな人が寝取られる感覚に、
もの凄く欲情していました。
村中さんのオチンチンはビンビンに大きくなってしまい、
その事に驚きを隠せませんでした。
嫉妬やジェラシーからは無縁の男性と
自分の事を思っていたのに、
これ程まで怒りに掻き立てられるとは・・・
そして欲情までしてしまうとは・・・
村中さんは少し自分の事が怖くなってしまいました。
このまま図書館にいたら、
また山本さんが挨拶しているとのを見る度に、
苦しめられると思い、外に出て散歩する事にしました。
ブラブラブラと当て所無く、散歩するのは
案外苦痛で、チラチラと時計に目をやるも
一向に時間は進んでいません。
山本さんを目の前にすると、
どうもおかしくなるなぁと
ふーとため息をつきました。
そしてまた歩き出し、
山本さんとの出会い、そして付き合った場合の事を
色々空想していたらようやく約束の時間になりました。
ようやくこの時が来たと、
心を躍らせながら図書館に走っています。
社員用の出口に山本さんが立っているのが見えると、
走るのを止め、息を整えてスマートに歩き出します。
山本さんもようやく村中さんに気づき、
向かって歩いてきます。
「あやーちゃん」
「もうー名前をちゃん付けで呼ばれる程親しくないですよぉー」
ニコニコしている山本さんの股間に手をやり、
二人は軽い挨拶をします。
「それで・・どこに連れてってくれるの?」
「美味しいレストランがあるんだ!
さぁ行こう!」
村中さんは手を差し出し、
手を繋いで歩いていきます。
ただ手を繋いでいるだけのに、
天へと昇る気持ちで、たまらなく愛しくなってきます。
「あやちゃん・・」
「なーに?」
「官能の国には慣れたかい?」
「そうねー、私って結構フランクでー
Hな事好きだから相性抜群って感じ」
「そうか!それは素敵だね。」
「うふふふふ、
村中さんは官能国生まれなの?」
「うん、僕は生まれも育ちも官能の国さ」
「すごいわねー、どこか外国には行った事あるの?」
「そりゃないよー。官能の国の人は
外国旅行はしないんじゃないかなー。
ついつい股間触るのが癖になってるから。
それを国外でやったら捕まっちゃうでしょ。」
「そうねー。
ここは言ってしまえばユートピアみたいな国なのねー」
「その通り。」
村中さんは山本さんの頬にキスをしました。
山本さんはまじまじと村中さんを見つめてきます。
「何で今キスしたの?」
「ここはユートピアの国だからさ」
「うふふ」
山本さんも村中さんの頬にキスをしてくれました。
二人は幸せそうな雰囲気で目的のレストランに到着し、
店内に入りました。
ボーイが近寄ってきて、二人の股間を丁寧に触り挨拶をします。
思わずカっとなりそうでしがら、
何とか笑顔で取り繕い、
村中さんは嫉妬心を悟られないように
するのが精一杯でした。
席に案内され、向かい合うように座り、
二人は見つめ合いました。
「どうしたの?」
山本さんはキョトンとした顔を見つめてきます。
「うむ、いや、あのー可愛いなぁと思って」
「何それー、うふふっふふふ」
「アハハハハハ」
一体自分は何を口走っているのだろうか?
いつもならもうちょっと上手に口説けるのに。
村中さんは恥ずかしくて、
ついつい顔が赤くなってしまい、
それを隠すようにメニューを手にとりました。
「ここって何がおいしいの?」
「何でも美味しいけど、
やっぱ今日のコースを選ぶのが一番」
「じゃあそれにしよっとー」
ボーイを呼び、村中さんは今日のコースを頼み、
後ワインを頼みました。
ワインが運ばれてくると、
二人はさっそく乾杯をします。
「出会いに・・
乾杯!」
「もうキザねー」
山本さんは終始笑顔で、
接してくれました。
そして二人はお互いの事や
職場の事を話ながら、
運ばれてきた料理を美味しそうに食べました。
「ふーおいしかったわー」
ワインを飲んで山本さんは
ピンク色に頬が染まっています。
「喜んでもらえてよかった。」
「あれあれー急に紳士的になってー
何か怪しいー」
「怪しくないよ。
僕はいつだって紳士だよ。
相手の嫌がる事はしない!
でも相手が望んでいる事は、
ためらわずするんだ!」
「ふ~ん、
じゃあ私が何を今望んでいるかわかる?」
「う~ん、そうだなぁー。
この後店を出て、僕らは手を繋ぎ、
そして一緒に僕の家に来るんだ」
「えーそれが私が今望んでいる事だって言うのぉー?」
「いや・・これは僕が望んでいることさ」
「何よそれー」
山本さんは楽しそうに笑いました。
「うん、でもちょっと考えてみてよ。
結構素敵かもしれないよ」
「ふ~ん」
試すような目をして山本さんは
見つめてきました。
「じゃぁ、まず手だけ繋いで
外を散歩してみる?」
「よし!」
村中さんはボーイを呼んで、
会計を済まし、山本さんの手を取って、
外に出ました。
「ご馳走様」
「喜んで頂いて何よりです!」
「うふふふふ、
村中さんってたまに紳士的なフリするのね」
「えへへへへ」
二人は仲の良いカップルのように
手を繋ぎ、涼しげな夜風が吹く町を散歩しました。
続く
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