「先輩ここっすよ」
路地裏に案内されて、看板に「スナック明美」のネオンが光っている。
三田村はドアを開けると、スナックのママというよりは、
八百屋の女将さんといった恰幅の良い熟女がカウンターの中から
声をかけてくる。
「あーら、三田村ちゃーん久しぶりじゃない!」
「久しぶりって一週間ぶりぐらいでしょ。」
「だーめよ、だめ、もっと頻繁に顔をださないと。」
「明美ママは厳しいなぁ。
そうそう、今日は先輩の有田先輩連れてきたんですよー」
「あーら、有田ちゃーん、よろしくねー」
「は・・はい」
明美ママの迫力に戸惑いながらも、
三田村に促されて、カウンターの席に座る。
周囲を見渡すと、常連が多い感じで、
皆楽しそうに過ごしている。
「じゃーそこの坊や達は何を飲むのーい」
「もう坊やって呼ぶのやめてくださいよ。」と
三田村が膨れる。
「なーに言ってるんだい。
私から見たらようやくケツの青が抜けきる年頃だよ。
まだまだ坊やだよ。」
「ママにかかったら大半の大人が坊やになっちまうよ」
有田は二人のやりとりを楽しそうに見ていると、
明美ママと目が合ってしまう。
「こちらの有田ちゃん、静かな先輩だね~。
クールぶっているのかい!」
「ちょっと、ちょっと。
明美ママの迫力でびっくりしちゃってるんですよ。
もう僕の憧れの先輩なんですからー」
「いやいやー、素敵な女性だと見とれていたんですよ」
「あーら、三田村ちゃんと違って、有田ちゃんは女性を見る目があるのねー。
有田ちゃんビールでいいかしら?」
「はい、おねがいします。」
明美は冷蔵庫からビールを取り出す。
「ちょっと、僕もビール頂戴よー」
「あら、あんたも飲むのかい。」
「アッハハハハッハ、明美ママそりゃないよー。
まいったなっぁー」
明美は二人の前にグラスを置き、ビールを注いでくれる。
「じゃぁ私もお仲間にいれて乾杯させてもらおうかしら!」
「どうぞ、どうぞ」
有田は瓶を持って、明美のグラスに注いであげる。
三人はグラスをカチンと合わせ、
ゴクゴクとビールを飲み干す。
「プハー、うまいっすね先輩」
「うまいなー。明美ママが入れてくれたからかな」
「有田ちゃんー良いお客さんねー。好きだわー」
三田村は有田の顔をマジマジと見てくる。
「先輩の隠された一面見た気がしますよー。
すげええ女性の扱い上手なんですねー」
「違うよ馬鹿。三田村は女性を扱おうとするから駄目なんだよ。
俺は言えないね!女性の扱い上手とか、そんなセリフは言えないよ!
もっとシンプルに一緒に楽しもうって気持ちが大事なんだよ」
「有田ちゃんって素敵ねー。あんたにこんな素敵な先輩がいるなんて」
チラっと三田村に目をやり、
カウンターに肘をかけうっとりとした顔で有田を見つめる。
「明美ママーそっちばっかじゃなく、こっちにもきてよー」
奥のカウンターに座っている60代ぐらいの男性が明美を呼ぶ。
「ちょっとまってー、
じゃあ、三田村ちゃんのボトル置いとくからねー」
ドンを勢いよくボトルを置き、奥のカウンターに行ってしまう。
「明美さんすごいねー」
「でしょー、自分とか落ち込んだ時とか、
ここくると元気もらえるんですよ。
口は悪いけど、楽しく生きてるつう感じがして。」
三田村と有田はオナホールの事や仕事の事を語りながら、
お酒を飲んでいく。
ボトルはすぐさま空になり、もう一本頼む事にした。
「ママー新しいボトルいれるよー」
「はーい。」
明美ママがボトルを手に持って戻ってくる。
「あら。三田村ちゃん目が座ってきたねー。
あんまり飲みすぎて、吐いてこの店汚さないでよ!
片付けるのは私なんだから!!!!」
「はーいピャイ!」
「あらー、こりゃもう駄目ねー」
「アハハッハア、私が送り届けますから」
「有田ちゃんは強いねー。」
「ママも平易そうじゃないですか」
「そりゃ何十年もこの仕事やってりゃ
お酒のペース配分ぐらいわかるわよ」
明美は置かれたボトルを勝手にとって
自分のグラスへと注ぐ。
「でも今日はちょっとそのペースを崩しちゃおうかなぁー」
「こりゃこっちも負けてられませんね!」
今にも眠りに落ちそうな三田村をよそに、
明美と有田は競うようにお酒を飲んでいく。
入れたばっかりのボトルが半分ぐらい減ったところで、
トイレに行こうと立ち上がると、目の前の視界が揺れ動いている。
こりゃいかんと、目の前にソファに座るとお店には、
三田村と自分と明美ママしかいない事に気づく。
今何時だと時計を見ると既に2時を回っていた。
トイレいってからそろそろ帰るかと、
トイレに行こうと立ち上がるのも一苦労する。
そんな有田を見かねて明美ママが近寄って来てくれて、
体を支えてくれる。
「す・・すいまひぇん・・」
「いいのよーありちゃん。」
トイレに入り便器に腰を降ろし、用を足す。
立ち上がり、トイレから出ると明美ママが待っていてくれる。
体を支えてもらって、歩き出すと、
ソファに躓いて、明美を抱きかかえたままソファの上に倒れこんでしまう。
顔の目の前には大きい明美ママの顔がある。
そして唇が近づいてきて、有田の唇にキスをしてくる。
続く
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