「今日のゲストはCD売上一位で、
今一番ホットでキュートな双子ユニットのダブルジュリエットで~す」
Wジュリエットのユリとユイがスタジオに入ってくると、
一斉に観客席から歓声があがる。
今や国民的スターまで登りつめた双子アイドル。
司会のトキオがスタジオの中央に二人を招き入れる。
観客の声がさらに高まって、
トキオは少し静まるまで、待っている。
ようやく騒ぎは収まるとトキオはユリとユイにマイクを向ける。
「すごい人気だね~」
「はい、おかげさまで有難うございます。」
思わず二人の声がハモる。
「さすが双子だねー、思おう事も言う事も、タイミングも
一緒なんだねー。」
「はい、でも結構好みとか違うんですよぉー」
「ガハハッハ、またハモちゃってるじゃん。
本当に好みとか違うの?」
「はい」
「駄目だこりゃ!またハモちゃってるじゃん」
「そういえばトキオさんどっちがユリでユイかわかりますぅぅ」
「そりゃもう何度も会ってるからわかるよ!
ちょっとそこに並んでみてよ」
トキオはじっくり二人を見つめて、考える。
「わかった!右がユリちゃんで左がユイちゃん!」
「ブッブー違います!逆ですよぉー。
もうひどーい」
「いやー、まいったなぁーこりゃごめんごめん」
ユリとユイは観客にバレないように、
怒ったふりをして後ろ向きならが、
トキオにウインクする。
トキオはゴクリと生唾を飲み込んで、
ニヤけそうになるが必死に堪えて二人を宥める。
「よーし、じゃあここら辺でWジュリエットの新曲「ジュエットの涙」を歌ってもらおうかな」
二人は機嫌を直して元気に返事をする。
すぐさま歌う準備が始まり、スポットライトが暗くなる。
「ユイと」
「ユリが」
「歌います!聞いてください!」
ウオオオオオオオオオオオと観客が興奮する
♪ ジュリジュジュリジュリジュジュジュリエット~の~涙~♪
♪ ノーストップーな涙~♪
♪ ユーの出会いとウィィーな出会いが~♪
♪ 止めるのかしらー♪
♪ なみ~だ~を止めてくれる~ユーをさがし~て~♪
♪ でも~い~ま~は~もうちょっとだけ~♪
♪ 泣きた~い~ジュリエットで~す ♪
ウオオオオオオオオオオオオオオオオオ
Wジュリエットーーーーーー
ものすごく拍手と歓声が鳴り止まない中、
二人は頭を下げて舞台袖に帰っていく。
そうすると、トキオがスタジオを中央に戻ってくる。
「いやー素晴らしいメロディアスな泣ける曲でしたねー。
今日の「歌っていいんです」はこれで終わりです。
来週も見てくれるかも~~ん!!!!!
では来週」
トキオも舞台袖に戻っていくと、Wジュリエットの二人が待っている。
「いやーお疲れん、歌よかったね~」
「そんな事よりも、またどっちがユイかユリで間違えてー
もうお仕置きですよおおおお」
トキオはすぐさま口元に人差し指を当てる。
「しー声が大きいよ」
「後で楽屋に行きますからね!」と二人は声を揃えて言って、
消えていってしまう。
こりゃ参ったなぁとニヤニヤしていると、
後ろから番組プロデューサーの松本が話しかけてくる。
「あれー何かWジュリエットと怪しいなぁー
何かあるんですかー?」
「ないよー、何いってるんだよー
娘みたいな年の差じゃないか!
もうまつもっちには困っちゃうなぁー」
「まぁねー、でもトキオさん気を付けてくださいよー。
大物司会者のスキャンダルを皆狙ってますからー」
「わかーってるよーもうー。」
「もし何かあったら視聴率20パーセント超の「「歌っていいんです」も
終了になってしまいますからね!」
「わーってる、わーってる。もう、信頼してよ!」
トキオは松本を上手くあしらって自分の楽屋に戻っていく。
30分ぐらい横になって休憩していると、
ドアがノックする音が聞こえてきた。
トキオは体を起こすと、ドアが開きユリとユイが入ってきて、
ドアの鍵をカチャリと閉める。
「お仕置きですよ!」二人は声を合わせる。
続く。
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