大学のサークルの飲み会からの帰り道、
繁華街を一人で歩いていると、
珍しく威勢の良い客引きの声が聞こえてくる。
隆は心地よいほろ酔いで、
声のする方に顔を向けると、
タキシードを着た客引きのおじさんと目が合ってしまう。
おじさんは隆の方に近寄ってくる。
メンドクセーなと思いながら、速さ足で逃げようかと思うが、
それも億劫なので、気にせずフラフラ歩いていると
おじさんが話しかけてくる。
「おにいさーん、どう?どこでも握り屋なんだけど。」
無視するつもりだったが、
聞きなれない語感につい質問してしまう。
「え?どこでも握り屋って何?」
「おにいさん、遅れてるねー、
今大人気の性風俗だけど知らないの?
30分3000円、どう?ちょっと来て体験してみない?」
「つーか、どこでも握り屋ってなんだよ」
「知らないんでしょ、それなら口で説明するより
体験する方が早い、3000円だよ安いでしょ」
握るってオチンチンか?別に新しくないじゃんって
考えているとおじさんが隆の腕を持って、
店へ連れて行こうとする。
「ちょっと、ちょっと、ボッタクリとかじゃないよな?」
おじさんはキョトンとした顔で振り向く。
「あのねー、こんなわかりやすい場所にボッタクリ店あったら、
すぐ摘発されちゃうよ。
安心して頂戴、安心安全の風俗店なんだから」
隆は周りを見回し、確かにこんなわかりやすい場所に
ボッタクリ店構えるはずないかと思い、
酔いと興味もあって店の中に入っていく。
店に入るとズラっと写真が飾られている。
隆はじっくり写真を見てどの子にしようか考える。
人妻系にしようか、ギャル系にするか悩んだが、
巨乳で幸が薄そうな人妻系の清美を指名する事にした。
個室に案内され中に入ると、
ソファが向かい合って置かれ、間に机が置かれた
シンプルな部屋だった。
ソファに座り、ちょっと待っていると、後ろのドアから
おひつを持った清美が現れる。
「はじめまして」と消え入りそうな声で挨拶をする清美。
タイトなスカートにキャミソールを着ている。
おひつを机の上に置き、清美は隆と向かい合って座りだす。
隆は清美の幸の薄い顔をじっくりと眺める。
口元のホクロがより一層清美を不幸そうにさせていた。
何が始まるのかとワクワクしていると、
清美がおひつの蓋を取ると、中には真っ白いご飯が入っている。
「あの~どこで握りましょうか?」
びっくりした隆は唖然とする。
「どこで握りますかァ?」
「へ?」
「ん?」
「あのー初めてで良くわからないんだけどー
何?このご飯?」
清美は微笑む。
「えっとーご飯を好きな場所で握ってあげるんです。
例えばー胸とかーお尻とか。
それで出来たおにぎりをお客様に召し上がってもらうんです。」
続く。
小説(官能小説) ブログランキングへ人気ブログランキングへ
テーマ : 官能小説
ジャンル : アダルト